くじらのみるゆめ

 

 

「未来に届ける映像図書館」KISANA LINESは今年2020年の5月5日で満7歳を迎えました。

 

「未来に届ける」ことをコンセプトにしたサイトでしたが、その時には、近い将来である7年後の未来がどのようになっているかでさえ(まさに今の状況を)全く想像はしていませんでした。

あまりの変動の速さに、タイムカプセルは1ヶ月どころか、明日に対してでも有効なのだと思う今日この頃です。

 

 

このコロナ騒動の間、何度かブログを書こうとも思いましたが、様々な境遇で様々に今の事態と向き合ってる人々を前にして、言葉がなかなか思うように出てきませんでした。自分の中でも整理がつかなかったからだと思います。

 

 

そんな時、いつも想像するのは、世界中で出会った動物たちのことでした。

 

カナダの北極圏で出会ったシロクマや、アフリカのゾウやサイ、ニュージーランドのアシカやペンギン、そしてKISANA LINESのシンボルにもなっている海の中のクジラたち。

 

彼らは、今、どんな風に、何を感じながら、彼らの世界で暮らしているのだろう。

想像をめぐらしました。

 

 

 

 

彼らにとっては近年、ずっとパンデミックな状況が続いているのだと思います。

 

前にもこのブログで書きましたが、私が見たシロクマは氷の上にはいませんでした。

氷が溶けてしまってないから、草原の上に寝そべっていました。アシカの赤ちゃんを狙う代わりに街のゴミ置き場に食べるものをあさりに来ていました。

 

 

 

 

ゾウやサイも心無いハンターたちに無残に殺され続けていますし、

海の中の生き物は否応なくマイクロプラスチックを食べ続けています。

 

彼らにとって、私たちの空気と同じように生きていくにはなくてはならない海の水が、ウィルスがはびこるように汚染されているのです。

 

それでも、彼らは反乱を起こすこともなく、宇宙からもらった「生命」という奇跡を絶やさないように未来につなぎ続けています。

 

 

 

 

 

 

たくさんのことを想いながら出来上がった、新作「くじらのみるゆめ」。

映像の絵本のような作品です。

 

 

 

 

 

映像の大半は、KISANA LINESの海のカメラマンが長い間、撮り溜めてきた水中映像です。

普段はとても無口で穏やかに行動するカメラマンですが、海に入るやいなや、とても活発に動き回ります。

 

 

 

 

海の生き物たちはそんな彼に自分たちに似た波動を感じるせいか、素の表情を見せてくれ、通常では滅多に撮れない貴重なシーンも映像に収めることができます。

 

 




そして、ミツバチやチョウチョ、巣を作る蜘蛛の目線にまでなりながら、日常の風景をいとおしむように切り取る森のカメラマンの映像。

 

 


 

それに、私自身が世界を旅する中で出会った忘れられない光景を織り交ぜながら、自分がクジラになったつもりで旅のものがたりを綴りました。

 

それは、現実的な旅とは違いますが、自分の過去を憶い出す時間の旅でもあり、見たことのない世界を想像する宇宙の旅でもあり、未来を想う希望の旅でもありました。

 

 






思えば、7年の間に、ベースをニュージーランドに移すなど物理的な環境が変わったこともあり、なかなか新作をアップできませんでした。

違う国で根を張って生きるのは、思っていた以上にハードで、まさに生きていくだけで精一杯な日々。映像制作に向かう余裕は正直ありませんでした。

 

そんな中、現地のフィルム・フェスティバルで賞をいただいたく嬉しいハプニングがありました。未来の子どもたちへ向けて淡々と物語を綴っているようでも、やはり、誰かに観て喜んでもらうのは嬉しいものだと感じました。

 

 

そして、今回、ずっと旅するように暮らして来た自分が、初めて、思った以上に日本に長く立ち止まり、自分にとって本当に大切なものに改めて目を向けました。

 

なかなか新作をアップできないにもかかわらずKISANA LINESを見守ってくださっている方々、今もなお支え続けてくれているスタッフに感謝の気持ちがどんどん溢れて来ました。

 

 

これからは、今まで以上に、KISANA LINESに寄り添って生きていこうと想いを新たにしています。

 

未来へ届ける「眼差し」を映像の物語として紡ぎながら。

 

 

KISANA LINESのものがたり「くうのお絵かき」の主人公 Fuuyanmから素敵な

メッセージが届きました。

 

 

 

 

ー「KISANA LINES」は、そこかしこに遍在する神さまを丁寧につむいでいっているのだなと、みんなの愛の結晶なんだなあと思いましたー

 

 

 

 

 

 

これからも、どうか、よろしくお願いします。

 

KISANA LINES  映像作家

 

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