自然でいること
早いもので、今日はもう秋分です。
(9月22日の夜に書いています。)
あんなに暑さにあえいでいたのが嘘のように、もう朝晩は肌寒く、、、
季節の変わり目の突然さに取り残されないように、
走って追いつこうとして、転んで、泣いたり、笑ったり、
そんな私たちを乗せて、地球はどんな時も絶え間無く回り続けています。
太陽も、月も他の惑星たちも、宇宙全体が、ずっとずっと動き続けています。
この世界には、止まっているものは何もありません。
じっとしていても、私たちの細胞は常に振動しているし、
私たちが自分の体だと思っているものも、
分子がくっついたり離れたり常時入れ替わっているので、
実は、数ヶ月前の自分の体はもうここにはありません。
毎日のように私たちは生まれ変わっているのです。
そういう意味では、山も動いているし、森も動いています。
では、全てのものをこうやって動かしているのはいったい誰なんでしょう。
それが自然なんですよね。
私たちは自然に生まれてきたし、自然に土や空気に還ります。
紛れもなく、私たちは自然の一部です。
それなのに、人類の歴史を振り返ってみると、そのほとんどが自然に対抗したりコントロールしようとしてきた歩みに思えてなりません。
山や森を切り崩し、我々の命綱である空気や水を汚し、生態系を破壊する。
人間以外に、自然に逆らっている生き物っているのでしょうか。
人間て、ほんとうに変な生き物ですよね。
全てのものは、そこに生きているだけで、それぞれの働きがあると思います。
ただ座っているだけでも、私たちは息をしています。
私たちが吐いた二酸化炭素を吸って木々は生きています。
目に見えなくても、自覚していなくても、すべてのものは自然な働きをしています。
病気になった人の家の周りに、その病気に効く薬草がはえると言われるように、
陰陽の法則しかり、
俯瞰で見ると、全てはバランスを保つように、めぐりめぐって影響し合ってるのだと思います。
それが自然の働きなのだとしたら、自然を邪魔せずにいることこそが、
まわりのため、ひいては地球を助ける、最善の生き方だとわたしには思えます。
自然には、はかりしれない力があります。
私たち人間が作りだした不自然な環境は、必ずや自然の状態に戻されます。
その揺り戻しの力が破壊的なものになるまでに、あまり時間は残されていないように思えます。
では、いったい、私たちが最も自然であるのはどんな状態なんでしょう。
これは、とても難問で、前にもここで書いたことがあります。
ライオンがライオンであるように、ペンギンがペンギンであるように、
人間が人間である自然のかたちとはいったいどういうものなのか。
ペンギンは、もしかしたら、海の中で魚を捕まえる技術は日々の努力で上達しているかもしれませんが、ペンギン自身の本来の力以上に頑張ることはしないと思いますし、ペンギンがペンギン以上の能力を持ってしまうと、ペンギンではなくなってしまうでしょう。
それに、もちろん、ペンギンが異常なほど漁が上手くなれば、海の中の秩序は乱れてしまいます。
でも、もし、ペンギンが漁の能力を少しあげ、ほかの魚たちも逃げる能力を少しあげたなら、そこにはバランスが生まれるのかもしれません。
冒頭に書いたように、すべてのものがいっときもとどまることなく変化を続けている世界で、まわりのものとバランスをとりながら、それぞれのパフォーマンスを上げていくことができたとしたら、それは、まさに、フリーエネルギーのように、スパイラルに循環していけるのかもしれないですね。
でも、それが果たして自然なことなのか。。。
考えだすと、わからなくなります。
ただ、自然にいること。
それは、考えることと対極にあるものなんだろうと思います。
考える能力を進化させてきた人間にとっては、それが、一番むずかしいことなのかもしれません。
後戻りをせずに、自然の輪の中に還るために、新たな知恵が必要です。
2020年9月22日の22時31分が今年の秋分点。
その時間に世界中の多くの人たちが、瞑想をしながら平和を祈ったそうです。
「思考」の世界から距離をとる「瞑想」には一つの可能性があるように思えます。
コントロールすることを手放すこと。
委ねること。許すこと。慈しむこと。愛おしむこと。
少し、宗教的だったり、哲学的だったりに聞こえるかもしれませんが、
私は人間本来の自然な状態は、愛でいることだと信じています。
なぜなら、自分が愛に満ちていると、自分自身の内側がとても心地いいので、
まわりをコントロールしたり、破壊したり、攻撃したりしようとは思わないのです。
自分自身が調和しているのを感じます。
その状態で、まわりを見渡してみると、自然なものと不自然なものがはっきりと見えてきます。
そうすれば、不自然なものをどんどん手放していくのも簡単になる気がします。
最近、私は「氣を使う」かわりに「愛を使う」ようにしています。
いろいろなことがすごくスムーズに動きます。
調和や自然への第一歩かなと思います。
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今月中にオーガニックなお花を育てる花農園さんの少し長い作品をリリースするつもりでしたが、3月に咲くあるお花のカットをどうしても入れたくなって、来年まで待つことにしました。
そのかわり、稲穂が色づく9月の半ば、岡山でKISANA LINESの上映会をしていただいた時の会場が、まるで天空の城「ラピュタ」を思わせる見渡す限りの緑の山の上にある素晴らしい場所だったので、先にその物語を紡ごうかなと思っています。
古民家を再生しながらパーマカルチャー(持続可能な農業)を営む人たちの物語です。
今しばらくお待ちください。
KISANA LINES 映像作家