ギフト(才能)
諸事情で長らくリリースが遅れています。
色々なことがあったここ数ヶ月でした。
とても難しい毎日でしたが、たくさんの気づきに恵まれました。
楽しいことも悲しいことも全てを体験するために生まれてきた私たち。
いただいた「生命」を経験するということこそが素晴らしい贈り物なのだと
かみしめながら、毎日を過ごしました。
さて、その贈り物、英語ではギフトと言いますが、このギフトには別の意味があります。
それは「才能」。
つまり、才能は贈り物なんですね。
全ての人は、それぞれ違った贈り物(才能)をたずさえて、この世に生まれてきています。
どの才能が高いとか甲乙はなく、一つ一つの音が響き合うことで素晴らしい交響曲ができるように、それぞれの贈り物(才能)には完全な役割があり、組み合わさることでより素晴らしい作品ができあがるのだと思います。
そういう意味では生きとし生けるものはみんなアーティストですね。
さて、前置きが長くなりましたが、今日は、アートを紡ぐことを生業としているKISANA LINESのウエブデザイン担当のデザイナーさんのお話。
彼女はKISANA LINESの構想を聞くなり、TOPページのクジラの絵をさらさらと描いてくれた才能に溢れた人。
彼女が、アーティストとデザイナーの違いを説明してくれたことがあります。
アーティストは自分の中から沸々と沸き上がる才能を作品として現す人のことで、
デザイナーはその作品を、見る人のためによりよく表現する人のことなのだと。
彼女いわく、アーティストの方がデザイナーより才能が必要なのだという説明でした。
ですが、私にはデザイナーにもとても優れた才能が必要に思えます。
「美」への研ぎすまされた眼差しと、こだわり。
線1本、太さや大きさ、配置、配色、全てに絶妙にバランスをとりながらの美の表現は
数式のような完璧さを求められ、できあがったデザインを見せてもらうたびに、
正解は一つしかないのだといつもうならされます。
アーティストの作品の神髄をとらえ、それを花開かせるのもデザイナーの大切な仕事で
作品を生かすも殺すもデザイナーの腕次第です。
私が最も彼女を尊敬する点は実はそこにあります。
デザイナーはいつも主体がアートであったり、クライアントの意向であったり、見る人であったり、他者なんですよね。
「我」を消し去ったところにある究極の美しさの表現。
それは、どこか、雪の結晶や昆虫の模様、砂に刻まれた風紋など
森羅万象が奏でるこの世にたった一つの造形美と重なります。
大きな口を開けていつも楽しそうに笑う、ファンキーでお酒好きの彼女が
デザインに向かう時に見せるシリアスな表情を見るたびに
彼女が持って生まれてきた「ギフト」に「ありがとう」の気持ちでいっぱいになります。
今夜もまだどこかで飲んでるだろうデザイナーさんへ。
感謝と尊敬を込めて。
でも、お酒はほどほどにね^^
新作のリリースは11月上旬を予定しています。
KISANA LINES映像作家
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