雪の結晶と春の花

雪の結晶が、人の指紋のように、ひとつひとつ違うことに
みんなが驚き感動しているのを知ったとき、
逆に、いつから同じものが増えてしまったのだろうと考えました。

 

その昔、地球上には同じものなど何一つなかった気がします。
人の顔はみんな違うし、犬だって、鳥だって、魚だって
ちょうちょだって、かまきりだって、花だって、樹だって、
全ての生き物はたとえ同じ種でも、みんなそれぞれ違う表情をしています。

同じ雲はないし、同じ波はないし、同じ星はない。

 

物だってそう。
手作りのものは基本的に全く同じには作れない。
洋服や器、道具にいたるまで、
手作りならば、どこかが少しづつ違ってて、そこからアートが生まれる。

 

レシピ通りに作った料理でさえも、
その日の温度や湿度や気分で(^^)味は変わります。
だから、お母さんの料理は飽きないのですよね。

 

ところが、今、回りを見渡してみるとどうでしょう?
車や既製服、おもちゃ、家電製品。

ペットボトルの水、コンビニやスーパーで売られるお菓子 etc etc
きっちり同じに作られたものばかりで、
少しでも違うところが見つかったら、不良品扱いで出荷もできません。

 

でも、同じ物がたくさんあるって、何か、不自然ではないですか?

つまり自然界にはない状態が
正しいこととして世界の常識になってしまっている気がするのです。

 

物が大量生産されるようになった時から
何かが大きく変わってしまったのですね。

 

教育も、同じ教科書、同じカリキュラムで教えられる。
試験では同じ問題でテストされる。
一人一人は、住んでるところが違ったり、違う食べ物で育ったりして、

中身だってぜんぜん違うのに。。。

 

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一つづつ模様の違う結晶が重なっているはずの雪原。

ただただ、雪にカメラを向けていると、
これまで降った雪も、これから降る雪も
同じ模様の結晶は二度とないのだと、

私たちの想像を遥かに超えた無限の美しさに圧倒されます。

 

違う色や模様が組合わさるから、そこに美がうまれる。

全ての生き物が違うからこそ、変化が起こり、
そこに美しい循環がうまれるのです。
そして、そこに無数のかけがえのない物語もうまれます。

KISANA LINESはそんな物語を紡いでいきます。

 

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内側から溢れるように音楽を紡ぎだす新屋賀子さんの

「冬のきらめき」という音楽で、雪の映像をエッセイにしてみました。

もうすぐ春ですが、全ての季節、全ての瞬間は二度とないのだと
慈しむように楽しんでいただければと思います。

 

次の物語もまもなくリリースします。

 

ume b

 

 

KISANA LINES

映像作家

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