四季折々で映り変わる海の表情。北半球では毎年６月の満月の夜、珊瑚が一斉に産卵する神秘的な光景が見られる。珊瑚はまさに海の花。花びらから花粉のように赤い卵が夜の海に舞い上がり、その卵を目当てにまるで花の蜜に吸い寄せられる蝶のように、大きな魚も小さな魚も集まって飽食の宴を楽しむ。ずっとずっと昔から繰り返されてきた海と月の営み。アルゼンチンのサウンドアーティストFederico Durandによる繊細で幻想的な音楽とのコラボレーション作品。（４分２７秒）

ウミガメは、この惑星に１億年以上住んでいる「地球の長老」。生まれた浜から旅をして、100キロ沖で恋に落ち、生まれた浜まで戻って卵を産みます。なぜ、旅をするのか、どんな旅をしているのかは今も謎が多い生き物です。絶滅危惧種として存続が危ぶまれていますが、その責任は誕生してから数十万年の地球の新参者、人間にあります。今、この瞬間にも、海の中を宇宙のリズムに合わせてゆっくりと泳ぐウミガメに思いを馳せながら、彼らの旅の邪魔をしないためにはどうすればいいかを考えます。